NHKの番組取材を受けました

京都での個展「線と音楽と魚」へご来場くださった皆さま、ありがとうございました!
7月20日にNHK Worldの「Direct Talk」という番組で、私の作品や制作過程についての15分番組が放映されました。
来年の7月まで、サイトアーカイブで全編見ることができますので、ぜひお見逃しなく!
Copper Plates Filled with Wonder: Tanaka Kiyo / Children’s Book Author

早春のころに番組のお話をいただいて、せっかくなら絵を描くところを撮りたいということで、個展作品の制作真っ最中に取材に入ってもらいました。結構バタバタの作品作り。撮影にはちょうど良く、撮る時に描く作品を選べるくらいの同時進行ぶりでした。(笑)

銅版画のことや絵本のこと、いろいろと深堀りのインタビューの1日が総仕上げの撮影だったのですが、事前に2回ほど素材撮りがあり、他に1日個展会場へ来て、全部で4日間の取材でした。制作は、日本電波ニュースという制作会社さんです。

個人的にすごく面白い体験だったので、ここに少し書きたいんです。まず、コロナのことがあって、普通ならプロデューサーさんとディレクターさん+カメラマンさん、となるところが、1日目に来たのはカメラマンさんお一人。お話を伺うと、海外の紛争地や危険地域の取材の経験がある方でした。
私は、Namiコンクールでいろいろな国の作家やイラストレーターに会って、戦争をテーマにした作品が複数入賞していたため、自分とのあまりの感覚の違いに気が遠くなり、帰国後に読んだ本が「内戦の地に生きる」(橋本昇・著)でした。これは写真家の橋本昇さんが歴史的にも知られた紛争地の取材のなかで見たこと、考えたことを岩波ジュニア新書に書いたのです。その本で読んだことをお話すると、カメラマンさんがご自身で見聞きされたことを話してくれました。本当に貴重なことだな〜、と感動しました。

それから、制作風景だけではなくて、絵の撮影というのもあって、1枚の絵を、すごく時間をかけて丁寧に撮影するのですね。その間、私もなるべく音をたてないように気をつけていました。静止画のような、絵の画像をパッと出せば良いというイメージを持っていたのですが、1枚に10分以上かけて撮影されるのをみて、これまた、びっくりしました。その集大成が番組を見るとわかります。当たり前だけど、絵を見るのも視点や見方があるんですよね。

そして、個展会場で撮影をしたカメラマンさんも、コロナの影響で近場から派遣されて見えたのですが、とっても感じのいい方でした。通りがかりに寄って下さった、一見さんのお客様がほとんどだったのですが、丁寧にインタビューや、番組の説明をされ、じっくり時間をかけて取材をしていました。その方にはまたすごいことを教えてもらいました。(というと大げさです。私が知らなかっただけで)ビデオ動画の編集が苦手なんだけど、何かアドヴァイスがないですか?と質問をしたら、「動画は紙芝居を作るつもりで考えるといいですよ」と言うのです。そうか!動いているということに気をとられて、切る場所がわからなかったんだけど…。静止画を並べるつもりで「伝わるかどうか」から入ればいいんですって。なるほどね〜〜。

最後に、現場仕切られ、インタビューをしてくださったディレクターさん、NAMIコンクールの結果をみて声をかけてくださったプロデューサーさんの、熱心な勉強・仕事ぶりにしっかり感化され、こんな素敵な報道関係の人たちがおられることを、心底嬉しく思ったのでした。

個展開催中です

入り口の外から見たところ。

京都での個展「線と音楽と魚」が開催中です。
6月11日に設営に行き、2泊してきました。
展示の方は「音楽」コーナー、「魚」コーナー、「線」や混合テーマと、いろんな絵25点が並びました。
初日のお客様が、とてもいい雰囲気の方々で、お話しさせていただき、色々と元気付けられるところがありました。実は初日、NHK worldの取材が急遽入ることになり、お客様にも感想を伺うということになったのです。
コロナの影響で普段は映像を撮る役割のカメラマンさんが、インタビューを担当し、展覧会の雰囲気を壊さぬよう静かに奮闘されていたのが印象的でした。地元ではないこともあり、ふらりと立ち寄ってくださった方にお話をするのはとても貴重な機会だな、と思いました。

窓がいい雰囲気。ヨーロッパみたいです♪
「音楽」テーマの絵を並べた壁。雁皮刷りに手彩色です。
毎度このワンピース。何年めなのだろうか(笑)

今回の「音楽」テーマの作品は、「銅版画で絵本をつくる」と自分で決めた頃の、初心を思い出す。ということを念頭に、雁皮刷り・手彩色の作品に取り組みました。20年ほど前から、イラストとして描いているうちに、どんどん塗りすぎたり、かっちりしすぎて銅版画らしさが失われてしまったり、あれ、どうしてこうなっちゃったんだろうな、と思うことがありました。50代を目前にした今だから出せるゆるさや余裕を使って(笑)学生の頃に勢いで、短時間で仕上げていた、あの手の足りなさと、感性重視の作品作りを、いいバランスでおさらいしてみたいなあと。結果やっぱり洗練した感じになってしまったんだけれども。もうちょっと温度を上げて引き続き描いて行きたいなと思います。

「魚」コーナーでは伊豆で見た情景をもとにした作品を展示。
シートはお持ち帰り可です。
絵本をコンパクトに展示。

今回の展覧会を企画してくださったメリーゴーランド京都の鈴木潤さん、いつもインスタが素敵だな、と思っていたんですが、ゆっくりお会いするのは今回が初めてでした。同い年とか、ウクレレ弾いて歌うとか、なんか共通点多い?私も音楽系の影響は関西の方からきているし、偶然ではないのかも。
6月12日に行われたトークイベントでもお話ししやすく、和気藹々という感じに。若い頃に四日市メリーですれ違っていたらしきこと等ドキッとすることもあり、自分なりにいろいろな場所に出かけて、経験をしておいてよかったなあと改めて思いました。

鈴木潤さんとのトーク、楽しかったです。

残すところあと数日となりましたが、田中の思考そのままの作品たちです。銅版画の線や質感、描かれたひとたちが「居る感じ」を大切に描きました。
お近くの方にはぜひ見てもらえると嬉しいです。

ギャラリートークは、6月30日まで動画配信で観ることができます(有料)。
また、作品の方も30日まで、メリーゴーランド京都のオンラインストアで注文が可能です。オンラインストアで売り切れている作品については、30日まででしたら追加製作の受注が可能です。
遠慮なく、お店に問い合わせてみてください。

「線と音楽と魚」

田中清代 銅版画展
「線と音楽と魚」
2021年 6月12日(土)〜23日(水)
新作の展示、販売をします。

なぜ、銅版画なのか?

ということも考えながら、
「わたしの描きたいもの」と向き合いました。

on-line 田中清代 ギャラリートーク
6月12日(土)18:00 – 19:00
オンライン配信(ZOOMによる配信)
参加費(オンライン):1,000円
(申し込みは メリーゴーランド京都webサイトへ) 

メリーゴーランド京都
600-8018
京都府下京区河原町通 四条下ル市之町251-2 寿ビルディング5F
営業時間 10:00~18:00
定休日:木曜日

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久々の新作の個展です。(絵本が出るわけではありません!)
テーマを決めて、銅版画らしい展覧会もいいなあ。。。
と思っていたものの、なかなかテーマが絞れず。
考えると絵本へ向けてのアイデアばかり。
というわけで、諦めて(笑)
いつか作りたい絵本への、手探りの一歩としての絵を描いてみた!という習作展です。

銅版画でイラストを描き始めた時に、気に入ってしまった「雁皮刷りに手彩色」という技法と、初心に戻って向き合ってみたかったので、DMのような、色付きの絵もあります。
それから、「なぜ銅版画なのか」については、多摩美のZOOMイベントの時にその場にいらした先生から「どうして銅版画じゃなきゃダメなの」という質問を改めて頂き、自分でも消化していないんだなあと改めて思いました。そんな疑問を抱え続けられるというのも、ひとつのギフトなのかもしれません。

メリーゴーランド京都は、子供の本屋さんだけど、とんがった本もいっぱい並んでいて、
あれもこれも読みたい!と知的好奇心をしっかり刺激してくれる本屋さん。
今描いている絵が、並んだらどうなるかな?と
私自身も楽しみにしています。

多摩美の版画、50年

さすが、かっこいいポスターでした。

2月14日までの限定公開での、動画配信です!(終了)

「版画と絵本、アートブック」 1/3 https://youtu.be/OolrgoM80yQ
「版画と絵本、アートブック」 2/3    https://youtu.be/Z0sZ7nMNoys
「版画と絵本、アートブック」 3/3    https://youtu.be/eQY2b1eksBk

多摩美術大学の版画科では、10年に一度、まとめの展覧会を開催しています。この10年間の卒業生の作家活動を振り返る企画です。私は毎回出品しているわけではないのですが、大好きな先輩作家のみなさんと同じ展覧会に参加して、カッコいいカタログを作ってくれて、まるで版画科の紳士録のようで(笑)40年展に参加できたときには密かに喜んでいました。私は「版画展」という、版画家であれば参加すべき団体に参加していないので、声をかけていただけるのは、とてもありがたいのです。

今年はその50年めの節目とのことで、再び出品!しかも自信作の「くろいの」が出せたので、版画で絵本を作る絵本作家冥利に尽きるというか、卒業生として素直に嬉しい展覧会です。超豪華メンバーで、多摩美版画の周辺を網羅した内容です。
ところが、コロナ渦の影響で、なんと、まさかの。展覧会に行けなくなってしまいました!!

しかし、今回トークイベントのスピーカーとして呼んでもらっていました。
以前から気になっていた浦和美術館の学芸員さん(山田志麻子さん)と、フランスに留学経験のある多摩美の銅版画の先生、大矢雅章さんとの鼎談。直前までソワソワと準備。気合いを入れて臨みました!オンラインがあって良かった。私にとっても、とてもいい刺激になりました。
今までのトークイベントで話せなかったことなども、美術関係のイベントだったので少し切り口を変えてお話できましたよ。

よろしければ、動画をごらんくださいませ。

修善寺Cotori

「ねえ だっこして」の単独原画展は出版以来初めてでした!

2021年1月27日をもちまして、「ねえ だっこして」原画展が終了しました。ご来場くださったみなさま、ありがとうございました。
私自身も、久しぶりに原画をじっくり見ることができて良かったです。
2月23日(土)には、担当編集の東沢亜紀子さんをお招きしてのトークイベントもオンラインで実施。吉田進み矢さんがインタビューしてくださったりして、リラックスした雰囲気の中でも内容の濃いトークだった!と好評をいただきました。
1月31日までの申し込み、視聴は2月7日までで、有料ですが動画配信で視聴いただけます。ご興味ありましたら、ぜひお申し込みください。視聴ページはこちら
当日はなんと、竹下文子さんも駆けつけてくださいました。私は娘がお腹にいるときに1度お会いしたのが8年ほど前だったのですが、編集者と三人で揃うとなると、これが2回目という(!)とても貴重な時間となりました。トークイベントでは、竹下さんへも語りかけをさせていただけて嬉しかったです。
(竹下さんは動画NGとのことでしたので、気配のみです 笑)

Cotoriさんができて、三島のえほんやさんも沼津のグリムさんも最近だし、なんだか伊豆東部の絵本事情が急激に盛り上がってるよね。。と仲間内では話しています。在廊時間には1日数組の方しかお会いできませんでしたが、みなさんのお話を伺えて私の方が充実させていただきました。やはり価値観の問題は大切で、コロナの時代とはいえ、対策を講じた上で大事なことはやる。という気概を、みんなで共有できたらいいなあ~、と思いました。

投稿日:

1月27日2021

展覧会2つ開催中です。


「ねえ だっこして」原画展

1/13(水)~1/27(水) , 2021 

修善寺Cotori
火、金休み 12:00~17:00

在店予定:1月13日(水)、25日(月)12時ごろ~15時ごろまで(事前予約制)

イベント

https://www.reservestock.jp/events/517064
1月23日(土)14:30~16:00

「ねえだっこして」を作っているときのこと

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多摩美の版画、50年

2021年1月6日(水)~2月14日(日) 

火休み
10時~17時(入館は16時30分まで)
入館料一般300円、大学生以下無料
多摩美術大学美術館

2021年1月31日にうらわ美術館の山田志麻子さん、多摩美準教授の大矢雅章さんとの鼎談(主にオンライン)イベント が予定されています。絵本とアートブックと、版画についての話題でお話する予定です。

ぜひニュースページでご覧ください!

楽しかった!えほんやさんでの原画展

「えほんやさん」を立ち上げた絵本作家のえがしらみちこさんと。

どのくらい、いけるかな?と思っていました「えほんやさん」での原画展でしたが、結果的に何度も伺うことができ、お店の関係者や常連のみなさんと交流することができました!良かったです。

そして思いの外、版画を買っていただき。やっぱり作品を手渡しできるのっていいなあ、と改めて思いました。
三島は、周辺のまちから出てきやすいところらしく、沼津や清水、長泉などからのお客様も多かったです。伊東ほどワイルドな?生活をしていない、都市型の方が多い印象だったのも新鮮でした(笑)

オンラインイベントも楽しんでいただけたようで良かったです。
また行こう「えほんやさん」!

こちらは店長・ひろこさん。お世話になりました!

えほんやさんで原画展スタート

「くろいの」原画展
10/16~11/16 , 2020 

営業時間:10:00~17:30(木曜15:30close)
定休日:毎週火曜日
えほんやさん

在店予定:11月11日(水)10:30~12:00, 13:00~15:00


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三島に絵本の専門店ができる!と知ったのは2018年でした。ちょうど、「くろいの」の原画を入稿してホッとした頃。オープンは、2018年の10月6日とありますから、私は東京での原画展準備でバタバタしていた頃です。
 えほんやさんは、三島を絵本の街にする!という壮大な理想を掲げてのオープンでした。今も着々と、その歩みを進めていて本当にすごいお店なのです。
 1年経つ前にお店には伺えていましたが、えほんやさんを立ち上げた江頭路子さんと、初めてお会いしたのは今年の2月でした。業界内だと、近くて遠いということがよく起こるんですけど、最初のうちはそんな感じで、フェイスブックでの交流が主でした。えがしらさんはSNSでもざっくばらんに書かれる方なので、一緒にオーバーヒートして、後で反省してみたり(笑)しながら少しずつ交流が進みました。三島は近いので、原画展を開いたら毎週(平日に)通いたいな〜と思っていたのですが、コロナのこともあり、それほどいり浸ることは出来そうにありません。残念。だけど、想いを飛ばしていようと思います。


 会場では、「くろいの」サイン本、ポストカード、2018年の個展の時に製作した小作品2点、あと「飛ぶ魚」で好評だった古い小さな「くろいの」の版画も販売して頂きます。

 それから、絵本「くろいの」本文の版画も販売させていただくことになりました!
展示している絵は、スペースの関係上一部なのですが、販売は全てのページ(表紙含む)が可能です。ただし展示されている絵本原画そのものは販売できません。(お渡しは別の刷りとなります)ご了承ください。お店に価格表を置いてもらっていますので、希望される方はお声をかけてくださいね。値段は高め設定で申し訳ないのですが、片ページの絵は3万円プラス消費税、見開きの大きい絵は5万円〜6万円ほど(シートのみの価格)です。版画の乾燥や額装などに時間がかかりますので、お渡しまで2ヶ月ほど見ていただけると助かります。

2018年ごろに買ってくれた友人が、図書館で絵本と一緒に展示したいという連絡をくれました。銅版画で製作されている原画の良さも、読者のみなさんと共有できたら嬉しいなと思っています。

日本絵本賞 大賞を受賞しました

2018年に出版され、原画でNAMIコンクール(パープルアイランド賞), 絵本で第68回小学館児童出版文化賞を受賞した「くろいの」が、今年の7月日本絵本賞大賞を受賞したという連絡を頂きました。今までは賞にとんとご縁がなかったので、本当にありがたいです。「くろいの」はスグにベストセラーになるようなタイプの作品じゃないと自分では感じていて、これで評価もなかったらなかなか厳しいぞと思っていました。予想以上に注目していただけて、本当に嬉しいです。今後もこだわりを込めたいい作品を作っていければ、と励まされました。

図書館での日本絵本賞コーナーと、田中清代の絵本特集

地元伊東市の中央図書館の入り口で、お祝いの絵本コーナーを作ってくれました。もちろん、今まで何度も展示や、読み聞かせ、ワークショップなどでお世話になっている馴染みの図書館です!11月いっぱいまで。パネルは手書きのメッセージ現物です〜♪

BIB展に行ってきました

 2019年の年末〜2020年の年始にかけて、東欧(ウイーン、プラハ、ブラティスラヴァ、ブダペスト)に行ってきました。
もともとの目的は、BIB展(Biennial of Illustrations Bratislava)を見に行くこと。
 今回、「くろいの」の原画が展示されました。

12月24日〜
 東欧へのアクセス入り口ということで、ウイーン!
ウイーン在住の友人に情報を尋ねたところ、「クリスマスマーケットをやっているよ」とのこと。ハテ、、それって何?と思いつつ行ってみたら、とても素敵でした。
しっかりしたログハウス風の露店がたくさん並び、様々なタイプのクリスマスオーナメントを売っていました。美味しいホットドッグや、ホットワインも。いつか子供と乗ってみたかった仮設遊具(メリーゴーランドと、観覧車)にも乗りました。

ウイーンのクリスマスマーケット。

 ウイーンでは、クリスマスイブを過ごすことになったのですが、クリスチャンでもなんでも無い私たち。とはいえ折角なので、クリスマス礼拝を覗きに深夜の教会にも行ってみました。他には親子で楽しめる「長靴をはいたネコ」のミニミュージカルを観に行ったり。
 美術史美術館では、パンフレットに掲載された作品探しをして絵画に飽きる娘(小一)をなんとか引き止め……、工芸品や歴史的遺品のコーナーになったら娘も楽しそうでした!幸運にも、ちょうどアルベルティーナ美術館で開催されていたデューラー展も観ることができました。デューラーによるデザイン画やイラストもあり、巨匠の顔ではない、職人らしさを発見しました。

12月26日〜

ウイーンから列車でプラハへ移動しました。

プラハの美しさに改めて感動しました!観光客もいっぱいでした。


 実は今回出かける前に、大変気軽な気持ちで、ブラティスラヴァ美術大で勉強された経歴のある絵本作家の福井さとこさんに情報をお尋ねしたのですが、なんと同じ学校に行っていた何人かの日本人作家さんが現地に今もお住まいとのことで、紹介してくださることになり。すごいことになってきた!という感じでした。
  チェコでお会いできた石田菜々子さんには、人形劇のチケットの手配までしていただき……。恐縮ながら、素晴らしい出会いでした。

カレル・ゼマン美術館の看板
大きな書店。新刊書も、古書も両方あります。
チェコの本屋さんの内部。
石田菜々子さんとお会いできました♪

 石田菜々子さんは、チェコの出版社とのイラストの仕事を中心にされているそうです。
現地の仕事をたくさんされる日本人の児童書のイラストレーターさんは、私自身あまり会ったことがなく、、(他に知っているのはフランスのChiakiさんくらい)とても刺激的なお話を伺いました。見せてくださった新刊は、分厚い児童文学の本。担当のアートディレクターさん自身もアーティストで、外見が「海賊っぽいんですよ」とおっしゃっていたのが印象的でした(笑)
 印刷の試み、デザイン、紙の選び方……何もかもが日本と違いました。かっこいい!!

石田さんの新刊。とても凝った装丁で、読み物ですが芸術的なのです。
菜々子さんの悪魔?の紙人形と、
お義母さまお手製のクリスマスクッキー!
石田さんのお友達、あぐさんの人形は、シュヴァンクマイエルにも気に入られたとか!

 たまたま同じ頃に居たため、石田さんのお友達の人形作家、あぐさんをご紹介いただきました。夕方にお会いして、今から観に行くという演劇(ヤン・シュヴァンクマイエルが関わった映像と演劇のミックスした舞台)を私たちも飛び込みで観ることができました。

 ところで、チェコでは新刊の(つまりふつうの)本屋さんの児童書の充実度に心底関心しました。チェコでは絵本よりも、「文章が多い」児童文学などの方が人気があるのだとか。読み物に挿絵のたくさん入った、高学年向けの本がたくさんたくさんありました。中にはちょっと不気味なテーマ、怖い挿絵のものもありましたが、結構そういう本に娘が反応。「これ面白そう!」と釘付けになっていました。読めないのが残念でした。
それから、ノンフィクションというか、学習系の「絵本」が充実していることにも気がつきました。日本だと知識系の本ってデザインよりもとっつきやすさ、というイメージがあるのですが、チェコの知識絵本はとにかく美しい!羨ましいなあと思いました。

 チェコの本屋さんで、スーツケースいっぱいに本を買いたいという衝動をがんばって抑え……。次は絶対に本を買いにくるぞ、と心に決めていました!

クヴィエタ・パツォスカの個展入り口のポスター

 プラハ在住の出久根育さんから、おすすめの展示を教えていただきました。クヴィエタ・パツォスカさんの個展が、由緒ありげな市民ギャラリーで開催されていました。70年代の大きなサイズの銅版画と、彫刻スタジオとのコラボ?で紙で作られたモデルを元にした彫刻展示。紙もいろいろに使えるということを再認識しました。


なんとグラフィティ風の告知が。自由&お洒落ですね。
ビビアナ。BIBに携わる子供美術館の建物。

 さて、いよいよブラティスラヴァです。到着したのが12月31日。福井さとこさんのご紹介でブラチ在住の洞野志保さんと早速お会いすることができました。洞野さんは、画家として活躍しながらスロヴァキアで子育てをしているそうです。みんな逞しく生きているなあ〜。大晦日で、お店も飲食店以外はお土産やさんしか開いておらず、、ということで、洞野さんとゆっくりおしゃべりすることが出来ました♪ 洞野さんは日本でも絵本を出版されています。とても素敵な絵を描かれる画家さんです。
 今回の旅行では、手作りハンバーガーショップをよく利用しました。この日も美味しいハンバーガーレストランで長居をさせてもらいました!

BIB展入り口に設置されたオブジェ。
パネルに入るだけの原画を送ってしまいましたσ^_^;
全て展示してもらえて良かった!


 1月2日になって、やっとBIB展を観ることができました。印象を書くのはなかなか難しいのですが、この展覧会の特徴は「国ごとに展示パネルが分かれている」ことなので、出品国との関連をつい、見てしまうのですね。
 やっぱり国ごとにいろんな価値観がある、ということと、一方でスタイルにおいて一種のグローバリゼーションが子供の本のイラストレーションにも及んでいて、国によっては「いろんなタイプのものができて、オールマイティ型のところ(新興国に多いかな?)」と、「少しこだわって伝統などの色を出すところ」とに分かれる。作家個別にいえばどちらが良いということはない。アートの展覧会として捉えるのはより難しい。それは、原画だけではなくて絵本を見て初めて良さが引き立つ作品も多いから……。面白いんだけど、すごく複雑な感じ。純粋に作品を見やすいのは、一人のイラストレーターをまとめたコーナー(昨年のグランプリ受賞者など)だな〜と思ったり、していました。
ただ、今回は事前にウイーンやチェコで書店を見ていたり、ナミコンクールで実力のあるイラストレーターたちと会ったりしていたので、毎回日本国内で巡回展を見る時よりは色々と考えやすいなと感じましたし、何よりフルボリュームでこそのBIBという思いもあり、見に行けて本当に良かったです。(日本の巡回時には、この頃は日本以外の国は数カ国分しか来ないので)

 お正月休みがあったので、目当てのものが見られる日は1日しかありませんでしたが、BIB展のあと、子供美術館のビビアナでクッキー作り体験をして、書店のART FORUMに立ち寄ることもできました。

可愛い形&美味しかった!
ブラティスラヴァの素敵な本屋さん、ART FORUM。こんなお店が近所にあったらな〜。

 そもそも、今回のBIBを訪ねることに決めた理由は、今まで数回出品経験があるのにも関わらず、自分が出している時に1度も見に行けていなかった……。というのがあります。そして、次もいつになることやら!と思ってえいやと出かけたのでした。BIB展自体は、見に来たのは今回2回目で、前回訪ねたのは2005年。その時に、これまた若気の到りで降矢ななさんとお会いして、すごく励まされた、ということがありました。
 そんなわけで今回も降矢ななさんにお声をかけさせていただき、スロヴァキア在住の日本人の仲間たちや、前回も引き合わせてくださったリュボスラヴ・パリョさんと一緒に夕食会をしてくださり、素敵なひとときを過ごすことができました。私は奈々さんはもちろん、旦那様のペテルさんやパリョさんに再会できたことがとても嬉しく、またお嬢さんとは初対面で、やっぱり絵を描いていて、美大の1年生だということだったので、なんだか勝手に、感無量という気持ちでした。
 ななさん、本当にありがとうございます!大切な思い出となりました。
 次の目的地はブダペストだったのですが、ななさんがブダペストの大学で日本語を教えておられる内川かずみさん(2005年に私も面識あり)にその場で連絡をしてくださり、なんと、ちょうど都合が合うとのことで、急遽お会いできることに!
  

スロヴァキア繋在住のみなさんとご一緒に、夕食会

 

さて翌日、列車でブダペストに到着してすぐに内川さんにご連絡。古書店にご案内くださいました。夕食などもご一緒が可能だったので、いろいろとハンガリーの児童書のこと、日本語教育のことなどお話を伺いました。
ハンガリーの印象は、庶民的、お料理がとにかく美味しい、そして廃墟流行り(笑)が独特。

古書店です。いい本がいっぱい。
こちらは児童書専門の新刊書店。明るくてお洒落です。
内川さんが日本で翻訳・出版された
「こぶたのレーズン」など、おすすめの作品を教えてもらいました。
廃墟インテリアの建物で開かれた、フードマーケット。
廃墟らしさをキッチュに改造した、ブダペストのお洒落スポット。
巻いてあるのを剥がしながら食べるチーズ。
タマシュさんのお宅で、ディアフィルムを実演してもらう。

 ブダペストでは、アンティークおもちゃ屋さん巡りをしました。ハンガリーの子供のためのメディアに「ディアフィルム」というのがあり、簡単な家庭用投影機とフィルムのセットになっています。1枚1枚の絵にお話のテキストがついていて、絵を送りながら読み聞かせをするためのものです。夫が友人のアーティスト、タマシュさんから子供の頃の思い出話を聞いていて、ハンガリーに来たら買いたいと思っていたとのこと。新刊書店に行くとその現代版の製品も置いてあるくらい、ハンガリーでは普通のもののようでした。


 仕事場が香港だというタマシュさんに連絡してみたところ、お正月休みでブダペストにいらっしゃるとのこと!幸運にもご本人にディアフィルム実演をお願いする貴重な機会となりました。

 そんなわけで、久々の東欧旅行は新たな出会い、再開に恵まれ、得難い機会となりました。
  また、食べ物が美味しかった印象がとても強く。なんといっても、チェコビールの美味しさは忘れられません。