師匠と呼ばせてください!

変なタイトルでスミマセン。
昨日、映画「This is it」を観てきました。
予想以上の収穫。映画が終わった頃にはぼーっとしていました。
クリエイター必見の映画だと思います。
マイケル・ジャクソン氏には亡くなってしばらくして、本を通して強く興味をもったのですが、理由は「今時絶滅したと思っていた種類のアーティスト」だという確信を持ったから、なんです。
大きなプロジェクトでみんなをインスパイアしてまとめていくのは、中心になるアーティストのオリジナリティーだと思います。簡単に言えば「世界観」。
ファイナルコンサートに、ここまでいろんなことを盛り込んで、大きな仕事を成し遂げようとしたジャクソン氏に心から拍手を贈りたい。

彼のインタビューや自伝などから垣間見えるのは、「デビューの早さ」がどれだけ彼の個性を作り上げたのか、ということです。幼い頃のマイケルは、いつも舞台の袖にいて、先輩の一流アーティストのパフォーマンスを一心に学んでいたそうです。そして、モータウンレコードのベリー・ゴーディという名プロデューサーの下で、レコードの為の職人的な音の作り方や、人々の心をつかむアレンジの方法などを学びました。私が注目したいのはその学んだ対称との「年齢差」で、彼は30歳にして音楽業界ではすでに「生きた化石」状態だったんじゃないかと思うんです(笑)たった10年の、同世代の人たちとのキャリアの違いによる、自分のレコードの作り方と、みんなのやり方との違いは歴然としていたと思うのです。でも、だから人と違うことができたし、(自分がすでにヴェテランだという)自覚があったからこそ新しいものと、古いものの良さを上手く使いこなすことが出来たのではないかなあ、と思います。

それにしても、「カウントをとる」だけでも音楽になってしまう場面を目の当たりにすると、みんなが彼を「師匠」と思う気持ち、分かります…。