小さな絵本美術館での展覧会(2019年)

長野県、下諏訪郡の小さな絵本美術館での個展のご報告です。

小さな絵本美術館の外観です。
「くろいの」の原画全点(BIB展出展が後から決まったため、一部版画の別刷りを展示)と、ガラスケースにラフなどの資料を展示しました。

田中清代最新作『くろいの』絵本原画展
2019年 9月13日(金)~ 11月4日(月)
小さな絵本美術館岡谷本館にて開催されました。
こちらで個展をさせていただくのは2回目で、その時は「トマトさん」と「おばけがこわいことこちゃん」を展示したと思います。

「ばばばあちゃん」のシリーズで有名な、さとうわきこさんと旦那様の武井さんが開いた美術館です。私はとてもこだわりのある、硬派な美術館だなあと思っていて、以前から大好きなのです。が、地理的な遠さ等の事情から、原画を出展したグループ展の時にさえ行けないまま14年程が経過……。今回「くろいの」展を企画していただき感謝です!

ガラスケースがあったので、普段は展示できないラフスケッチや版などを展示してみました。

ガラスケースの1段目。
2〜4段目。
左:銅版画の手作り絵本。右:ちび版画
右端は、2001年の「くろいの」
採用しなかった絵柄のラフスケッチ。
屋根裏で遊ぶシーンのいろいろなパターン
奥:見開きそれぞれに絵を配置してみた 手前左:2段階目のラフ 手前右:いちばん最初の頃のラフ
左:裏表紙の絵柄の版 右:途中段階の試し刷り

周りがどんどん開発されて風景が変わっていく中、展示棟を建て増しされたのもだいぶ前だと思うのですが、そちらの展示室を初めて拝見できました。
「くろいの」の展示もその1Fでした。2Fには常設展示があります。
私の楽しみは常設の武井コレクションを見ることです。とくにカリジェやラダ、ホフマン、フィッシャーの作品が見られるのは貴重です。本国でも本格的にはコレクションされていない作家もいるそうで、美術館の役割を果たそうと頑張っている姿勢にも打たれました。若い学芸員さんもいますよ!

展示のたびに(概ね)作っている「ぷわぷわ新聞」という紙を会場に置いてもらいました。ガラスケース内の解説があるので、今回は特別にアップします。 次の記事で、楽しかったワークショップのご報告をしたいと思います。