森のおうち美術館での個展

ポポタムでの個展のあと、「くろいの」の原画展が2つ続きました。
実はその前から、BIB2019の日本国内の巡回展が回っていて、「くろいの」原画9点が展示されていたのですが、それとも並行して「絵本美術館&コテージ 森のおうち」での個展が2021年10月8日〜2022年1月25日まで開催されました。「くろいの」「おばけがこわい ことこちゃん」「トマトさん」の原画を展示しました。

「森のおうち」では以前にも一度「トマトさん」を展示したことがありますが、そのときのご縁で個展のお話をいただきました!
美術館の立ち上げ人 酒井さんの理想の詰まった、とても素敵な美術館でした。アットホームで、広々とした空間で原画と向き合うことができ、とても良い展示で感激でした。会期終盤には家族でコテージに滞在することもできました!冬の長野、大きなツララや雪に小学生の娘も大喜び。食事やデザートもとても美味しかったです。サイン会には私の知人の他にも「森のおうち」の常連さんや地元の図書館の方が来てくれ、充実した時間を持つことができました。

パリでの展覧会

11月10日~ パリの異文化交流センターで、エリック・ロランさん、宮本千安紀さん、グレタ・ペナッカさんと私の四人展が開かれました。タイトルは「NOMADE」。エリックさんは、異文化交流にとても熱心な作家さんです。筆まめで人徳が厚く、いつもお世話になっています。今回のメインテーマは「合作」。三人の作家のエリックさんとのエクスチェンジ作品をパネル化し、紹介しています。また各作家の作品も展示されました。私は「くろいの」の絵を4枚、データで送り、出力を飾って頂きました。初日にはエリックさんと千安紀さんのトークイベントも開かれ、わたしも頑張って、フランス語のビデオメッセージを送りました!
ちょうど「くろいの」のフランス版も会期中に出版されるというタイミング。出版社の方もオープニングに来てくれたそうです。

オープニングのトークイベント!

日本人なのに西洋美術とかアンデルセン童話で育っている自分も「NOMADE」気分がすごくあって、異文化交流が大好きなのですが、「固有の文化」あっての交流だな〜、とか、やっぱり自治と環境保全はセットだよね、などとこの頃は思うことも多いです。大人になってきたのかしら(笑)

個展開催中です

入り口の外から見たところ。

京都での個展「線と音楽と魚」が開催中です。
6月11日に設営に行き、2泊してきました。
展示の方は「音楽」コーナー、「魚」コーナー、「線」や混合テーマと、いろんな絵25点が並びました。
初日のお客様が、とてもいい雰囲気の方々で、お話しさせていただき、色々と元気付けられるところがありました。実は初日、NHK worldの取材が急遽入ることになり、お客様にも感想を伺うということになったのです。
コロナの影響で普段は映像を撮る役割のカメラマンさんが、インタビューを担当し、展覧会の雰囲気を壊さぬよう静かに奮闘されていたのが印象的でした。地元ではないこともあり、ふらりと立ち寄ってくださった方にお話をするのはとても貴重な機会だな、と思いました。

窓がいい雰囲気。ヨーロッパみたいです♪
「音楽」テーマの絵を並べた壁。雁皮刷りに手彩色です。
毎度このワンピース。何年めなのだろうか(笑)

今回の「音楽」テーマの作品は、「銅版画で絵本をつくる」と自分で決めた頃の、初心を思い出す。ということを念頭に、雁皮刷り・手彩色の作品に取り組みました。20年ほど前から、イラストとして描いているうちに、どんどん塗りすぎたり、かっちりしすぎて銅版画らしさが失われてしまったり、あれ、どうしてこうなっちゃったんだろうな、と思うことがありました。50代を目前にした今だから出せるゆるさや余裕を使って(笑)学生の頃に勢いで、短時間で仕上げていた、あの手の足りなさと、感性重視の作品作りを、いいバランスでおさらいしてみたいなあと。結果やっぱり洗練した感じになってしまったんだけれども。もうちょっと温度を上げて引き続き描いて行きたいなと思います。

「魚」コーナーでは伊豆で見た情景をもとにした作品を展示。
シートはお持ち帰り可です。
絵本をコンパクトに展示。

今回の展覧会を企画してくださったメリーゴーランド京都の鈴木潤さん、いつもインスタが素敵だな、と思っていたんですが、ゆっくりお会いするのは今回が初めてでした。同い年とか、ウクレレ弾いて歌うとか、なんか共通点多い?私も音楽系の影響は関西の方からきているし、偶然ではないのかも。
6月12日に行われたトークイベントでもお話ししやすく、和気藹々という感じに。若い頃に四日市メリーですれ違っていたらしきこと等ドキッとすることもあり、自分なりにいろいろな場所に出かけて、経験をしておいてよかったなあと改めて思いました。

鈴木潤さんとのトーク、楽しかったです。

残すところあと数日となりましたが、田中の思考そのままの作品たちです。銅版画の線や質感、描かれたひとたちが「居る感じ」を大切に描きました。
お近くの方にはぜひ見てもらえると嬉しいです。

ギャラリートークは、6月30日まで動画配信で観ることができます(有料)。
また、作品の方も30日まで、メリーゴーランド京都のオンラインストアで注文が可能です。オンラインストアで売り切れている作品については、30日まででしたら追加製作の受注が可能です。
遠慮なく、お店に問い合わせてみてください。

ペッパーズ書店

11月2日〜14日まで、銀座のPepper’s Gallery にて、「ペッパーズ書店」というグループ展に出展しています。私は明日5日の15時よりギャラリーに行って他の出品者の作品を見ることにしました。
今回私が出品しているのは、「わたしのたからもの」という作品で、私が文章を書き、フランスのアーティスト エリックロラン ベラガンバさんが絵をつけた絵本です。本当はもう一冊作りたかったのですが、白鳥の仕事が長引いたため1冊のみの出品となりました。
この展示の最大のコンセプトは、出品作品が「手製本」であるという点です。私もがんばりました、搬入前の数日間製本づけ…で、売るための本は2部しか作れませんでした。(汗。 個展の準備の進み具合であと何部か作れるといいのですが!)日本語版、フランス語版と2種類作り、それぞれ右綴じ、左綴じになっていて、日本語版はフランス語のテキストが絵の中に入っていて、フランス語版は日本語のテキストが絵の中に。
先日飾り付けに行って来た感じでは、全体の展覧会の印象はなかなかにぎやかです。
本の新しい可能性を探しに、訪ねてみてはいかがでしょう。


ペッパーズギャラリー